おはようございます! 今6時ですがまだ真っ暗です。鳥と虫の鳴き声聞こえます。元気に朝を迎えています。 昨日は一日大牟田の事務所で過ごしました。来客応対をしたり事務処理をしました。 時間取れたので安岡氏の百朝集を読み,一利一害の言葉が心に残りました。 一利を興(おこ)すは一害を除(のぞ)くにしかず。 一事を生(ふ)やすは一事を減らすにしかず。 これは史上希有の大宰相・遼(りょう)の王族耶律楚材(やりつそざい)の名言です。 彼はジンギスカンが満州を攻めて遼の王国を滅ぼした時26歳の青年であったがカンに一見し て惚れ込まれその後30余年複雑多難な蒙古の国政を運用し,又彼は学問信仰に真剣な努力を続 け,禅においては曹洞宗を極め,詩人としても有名です。耶律楚材の言葉いっけん消極的に聞こえ ますが,さすが軍国非常の際に経験を積んだ名相の言です。 元来世間の事は雑草のように,油断すれば際限なく増えて行きます。事件が次から次へと増加して ゆくと,その煩雑にまぎれ,だんだん余裕も反省も無くなってしまいます。 そして結局破滅に陥ります。絶えず問題を省(かえり)みると共に省(はぶ)いて,手にも心にも 余裕を持つ事が必要です。政治とは省治で、役所を「省」と称するのは深い意味があります。役人 政治家は往々にして功名心にかられ,人気を博そうとするから何か目新しい事をやりたがります。 そこで「一利を興す」方に傾いて「一害を除く」ことをなかなかやりません。 人は「無事」を祈りながら,我から「多事」にしています。反省させられます。 古典を読むと昔の人はよく考えておられ学ぶ事ばかりです