おはようございます!
今朝は少し早く目覚め起きています。静かな朝のひと時大切にしています。今朝も元気です。
昨日室生犀星の詩を読み返していたら大学時代に心に残っていた詩に再会しました。
「よく見る夢」という詩です。
僕は気がつくと裸で ひるま街を歩いていたのであった こんなことあるはずはないと
手をやって見ると何も着ていない なんという恥ずかしいことだ
僕は何か着るものがないかと 往来を見まわしたけれど ボロ切れ一つ落ちていなかった
自動車の波濤は 明るい日ざしの街とともに動いていた 僕は暗い小道に逃げこんだ
やはりその小道にもまばらに人は通っていた みんな不審そうに僕の方を見ていた
警官でも来たら大変だと思った しかし着るものがない 今はからだ一つしかない
世の中の人はみんなああやって着ている 裸でいるのは僕一人だ
僕はどうすれば着れるるのだ とある軒下に立ってぼんやり考えていた
誰か知人でも通らないかと いやしい心を叱りながらも やはりそれを求めていた
誰も通らなかった かまはない 裸で歩いててやれと思った 自分は大胆に大きく
自分の踏むべき土を踏んで行った 激しい往来へ出て行ったけれど
ふしぎに人々は咎めなかった 人々は安心したような目つきで 自分を眺めた
大学時代これからいかに生きるべきか暗中模索し、自信喪失し日々もんもんと過ごしていた時
この詩に出会いました。涙が出て止まりませんでした。焦りで何をやっても手がつかなくなっ
ていた時で何事も一生かかって取組んで行こうという気になり歩き始めることが出来るように
なった忘れられない詩です。人との出会い、本との出会いで今の自分があるのだということを
痛感します。
忘れられない詩
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